人気キャラクターのイラストやぬいぐるみを、作って販売してはいけないことは、知っている方も多いと思います。
ですが、その「人形専用の服は販売していいのか?」疑問に思っている人も多いかもしれません。
例えば、メルちゃん、リカちゃん、シルバニアファミリーなどの人気の人形。
人形服を販売されている作家さんは多くいます。
キャラクターや人形とは違いますが、iPhoneケース・アイコスケースを販売される作家さんもいます。
こちらは、種類やジャンルは違いますが
〇〇専用に作ったものであることは同じ。
今回は、人形服・キャラクター作品を、iPhoneケースやIQOSケースと比較しながら、著作権や権利侵害をできるだけ分かりやすく解説します。
人形服の販売方法には注意

人形服は販売方法に注意が必要です。
- リカちゃん
- メルちゃん
- シルバニアファミリー
- ブライス
など…
人形の商品名を商品タイトルや説明文に使用は、商標権の問題になる可能大です。
また、人形に服を着せた状態で商品写真を掲載することも、ほとんどの人形メーカーから認められていません。
このような行為は、著作権侵害あたる可能性があります。
実際に、私が複数の人形メーカーへ問い合わせたところ…以下のような回答を頂きました。
- 人形を着用モデルとして掲載した販売は控えてほしい
- 商品名に人形名を使用しないでほしい
このような回答が多く、中には「法的措置を取ります」と厳しい回答を頂いたメーカーもありました。
そのため、人形服を販売するなら
・〇cmサイズの人形服
・〇cmドール服
など、人形名ではなくサイズで表記する方法が安全です。

メーカーの「商用利用の発信」について
メーカーによっては、「キャラクターの二次利用を禁止します」とはっきり、表明されているところもあります。
ですが、全てのメーカーが何らかの発信をしているわけではありません。
だからといって…
・ガイドラインが公開されていないから大丈夫
・商用利用について書いてないから販売できる
と考えてしまうのは危険です。
「個別のお問い合わせには回答していません」としている企業も少なくありません。
これは、「自由に販売してよい」という意味ではなく、全ての問合せに個別対応することが難しいからです。
キャラクター作品についても同じです。
人気アニメやゲームのキャラクターを描いた作品や、いわゆるファンアートを販売している人を見かけることがありますが、条件付きで販売が認められているケースがまれにありますが、ほとんどは販売を禁止されています。
「二次創作ガイドライン」を公開している企業もありますが、公開していない企業もあります。
こちらも、ガイドラインがない=自由に販売してよい、という意味ではありません。
最初は問題にならなくても、多く販売されて目立ったことで権利者が把握し、販売停止や削除依頼、場合によっては法的措置を取られる可能性もあります。
上記のメーカーは「商用利用」についての考え方を表明されていますが、念のために、一度問合せしたことがあります。
上記メーカー全て「商用利用はご遠慮ください」との回答がありました。
イーマリーちゃんの会社にも、以前お問合せしたところ、「商用利用はご遠慮願います」との回答でした。

iPhoneケース・IQOSケース

iPhoneやアイコスで考えてみます。
・iPhoneケース
・アイコスケース
というように、メルカリなどで、商品タイトルや商品説明に「実際の商品名」を入れて販売されている作品を多く見ます。
何に使う商品なのかを説明するために「実際の商品名」が使われており、お客さんも、「iPhoneケース」と書かれていれば、「iPhone専用のケースなんだな」と理解できます。
つまり、商品名というよりも、用途を伝えるための言葉として使われているケースが多いです。
では、人形服はどうでしょうか。
例えば…
- メルちゃん服
- リカちゃん服
- シルバニアファミリーの服
- ブライスの服
これも一見すると、「○○に着せる服」という意味なので、iPhoneケースと同じように見えます。
人形服も、iPhoneケースも「何の用途で使えるのか」を伝えています。
ここが、多くの人が混乱するポイントです。

人形服は販売方法が問題

人形服を作っている作家さんからすると…
・メルちゃんのために作った服です。
・リカちゃんサイズの服です。
という気持ちで販売していると思います。
お客さんに何の人形の服なのかを伝えないと、分かりにくいので、「〇〇ちゃん服」と商品名・商品説明に記載したくなる気持ちは分かります。
しかし、多くのメーカー(権利者)は、その名称や人形そのものを商用利用することについて独自のルールを設けています。
なので、「〇〇用と説明しているだけ、〇〇そのものを自作してるわけじゃないから問題ない」とは言えません。
リカちゃん服とiPhoneケース

- iPhoneケース
何に使うものか「用途」を説明
- リカちゃん人形服
リカちゃんという商品・ブランド向けの商品として、そのブランドの知名度を利用して販売
この2つは一見似ているけど、法的な考え方が少し違います。
例えば…
① 用途を説明しているだけ
下のようものを作って販売しても、比較的問題になることはありません。
- アイコスケース
- iPhoneケース
- AirPodsケース
- ペットボトルケース
これは、「このケースは何に使うの?」という質問に答えているだけ。
つまり、「アイコスで使えます」「iPhoneに対応しています」という用途・適合性を説明しています。
商標法でも、商品の用途や使用対象を普通の方法で表示することについては、商標権の効力が及ばない場合があるとされています。特許庁
⇩
人形服も用途や使用対象の表示では?
② ブランドの人気を利用して販売
一方で、こちらは注意が必要です。
- リカちゃん人形服
- メルちゃん服
- シルバニアファミリーの服
- ブライスの洋服
このあたりは少し事情が違う。
お客さんは
「リカちゃんの服が欲しい」と思って検索。
「リカちゃん」というブランド名そのものが集客力を持っていて、そのブランド向けの商品として販売していることになります。
なぜiPhoneケース問題になりにくい?
iPhoneは…周辺アクセサリー市場が昔から今も存在しています。
・ケース
・画面保護シール
・肩掛け紐・ケース
だから、用途説明として受け取られやすい。
リカちゃんは?
「リカちゃんケース」という商品は普通ないですよね?
検索されるのは、「リカちゃんの服」だから、用途説明というより「リカちゃんブランド向けの商品」として販売している色合いが強くなります。
もう少し分かりやすく!
⇩
🍅リカちゃん服と検索すると➡リンク先
Google検索すると、検索の上位に「リカちゃん公式」ページの「リカちゃん服」が表示されます。
これは、リカちゃんを販売している「タカラトミー」が今まで培った、リカちゃんを広めるための努力があるからです。
ハンドメイド作家さんが「リカちゃん服」と商品名やタイトルに使用すると、「リカちゃん」というブランドが長年積み重ねてきた知名度や信用を利用して販売していると受け取られる可能性があります。
リカちゃんだけでなく、他の人形メーカーも同じです。
🍅シルバニア服と検索すると➡リンク先
上位に「シルバニアファミリー公式」が表示。
🍅メルちゃん服と検索すると➡リンク先
上位に「メルちゃん公式」が表示されます。
つまり
「何に使えるか」を説明するために商品名を使うのは、用途表示として認められる場合があります。
一方で、そのブランドやキャラクターの人気を利用して販売しているように見える場合は
権利侵害やプラットフォーム(メルカリなどの販売サイト)の規約違反と判断される可能性があります。
著作権とは?
どこまでがセーフなの?

「著作権」と聞くと…
・どこまでなら大丈夫なの?
・パロディなら問題ないの?
・個人で楽しむだけなら?
・何年で著作権は切れるの?
など、疑問に思う方も多いと思います。
しかし、著作権は「ここまではOK」「ここからはNG」と単純に線引きできるものではありません。
作品の使い方や販売方法、権利者の許諾の有無など、様々な事情を踏まえて判断されます。
そのため、「みんなが販売しているから大丈夫」「今まで削除されなかったから問題ない」と考えるのは危険です。
私的利用なら自由に使える?

著作権には「私的利用」という例外があります。
簡単にいうと、自分や家族だけで楽しむ目的であれば認められる場合があります。
例えば…
・子どものために、ピカチュウのぬいぐるみを手作りして家で遊ぶ。
・自分で好きなキャラクターのイラストを描いて、自宅に飾る。
このように、自分や家族だけで楽しむ目的であれば、販売とは考え方が変わってきます。
一方で…
⚠ 作ったピカチュウのぬいぐるみの写真をSNSに投稿する。
⚠ メルカリやminneで販売する。
⚠ オーダーを受けて作る。
このような行為は、自分や家族だけで楽しむ範囲を超えています。
特に、メルカリなどで販売する行為は私的利用には当たらず、著作権などの権利が問題になる可能性があります。
「趣味で作ったものだから」「子どもが使わなくなったから販売した」という理由でも、販売すれば私的利用とは扱われません。

パロディ作品なら販売できる?

「少しデザインを変えたから大丈夫」「パロディだから問題ない」と思われがちですが、日本にはパロディだから必ず認められるというルールはありません。
元の作品との共通点や、どの程度特徴が似ているかなど、個別の事情によって判断されます。
そのため、人気キャラクターを参考にした作品を販売する場合は、実在するキャラクターに似すぎていないか、注意する必要があります。
著作権は何年で切れる?

著作権は永遠に続くものではありません。
例えば、有名な画家の作品は、著作権の保護期間が終了しているものも多くあります。
そのため、作品によっては著作権を気にせず利用できる場合があります。
一方で、現在も販売されている人気キャラクターや人形は事情が違います。
これらは現在も著作権の保護対象であることが多く、さらに商標権など他の権利も関係するため、「古い絵画のように自由に使える」とはなりません。
また、キャラクターは企業が新しいイラストやデザインを継続して制作・公表していることも多いため、「著作権が切れる」可能性はほぼ考えられません。
まとめ

人形服の販売では、商標権・著作権・不正競争防止法など、複数の権利が関係するケースがあります。
商標権…「リカちゃん」という名前を商品名などに使う
著作権…人形の顔やキャラクター性を利用していると判断される
不正競争防止法…公式商品と関係があるように見せたり、有名ブランドの信用にただ乗りしていると判断される
ただし、これらが必ず権利侵害になるという意味ではありません。
実際には販売方法や表示内容などを踏まえて個別に判断されます。
そのため、メルカリやminneなどの販売サイトでは、権利侵害の恐れがあるとして作品が削除されるケースもあります。
メーカーからの通報があったり、法律上グレーな場合は、運営がリスク回避のために削除する可能性があることも理解していてください。
人形服を販売する場合は、「リカちゃん服」「メルちゃん服」などの商品名ではなく、「22cmサイズの人形服」「26cmドール用の洋服」など、サイズや用途で表現することをおすすめします。
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人形に服を着せて、販売ページには載せることも控えてください。
洋服のイメージが伝わりにくいと感じる場合は、リカちゃん、シルバニアファミリーなどの人形と分からないように撮影、画像加工をしてください。
また、権利者(メーカー)が名称の使用についてガイドラインを公開している場合は、その内容を確認し、ルールに沿って販売することが大切です。
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