作家さん紹介 トマトメイド

ハンドメイド作家のための「著作権・規約違反」完全ガイド

ハンドメイド販売にも「法律」があります。

メルカリやヤフーフリマなどのフリマサイト、minneやCreemaなどのハンドメイド専門サイトを通して、誰でも簡単に作品を販売できる時代になりました。

でも、忘れてはいけないのが

「ハンドメイド=何でも自由に売っていい」

ではないということ!

特に著作権や商標メルカリの利用規約に違反してしまうと、アカウント停止法的トラブルに発展する可能性もあります。

この記事では、ハンドメイド作家が知っておくべき「著作権・商標権」

「違反例」「通報・停止リスク」などを分かりやすく紹介します。

著作権・商標権とは?

著作権とは?

  • 絵・写真・音楽・文章などに発生する権利 
     
  • 例えば、アニメキャラのイラストを無断で使用・販売するのはNG

商標権とは?

  • ブランド名・商品名・ロゴなどを勝手に使うと違反
     
  • 例:「ポケカ」「BTS」などの名前入り商品は商標権に引っかかる

よくある著作権・規約違反

ハンドメイド作品の中には…

知らず知らずのうちに著作権や商標権、規約違反にあたってしまっているケースがあります。

特に多い違反例
・商用利用不可の布を使った商品
・人気アニメのイラスト
・高級ブランド風の商品
・有名メーカーのリメイク品
・アイドル名入りの商品

メルカリの規約違反で、いきなり利用停止になった人も実際にいます!

商用利用不可の布を使って販売

例えば、ディズニーやサンリオ、ジブリなどのキャラクターがプリントされた布でマスクやポーチを作って販売するケース。

これらの布はほとんどが「個人利用限定」で販売されており、「商用利用不可」と明記されています。

許可なしで販売すると、著作権・契約違反になります。

同じく、「商用利用不可」のブランド布の利用も禁止です。

布を買うときに、「商用利用不可」と布地やタグに記載されています。

ネットで購入する際も、商品名や説明に記載されているので、販売するための布は確認して購入してください。

アニメや漫画キャラの
イラストを販売

アニメやゲームのキャラクターを使用したキーホルダーやステッカー、イラストなどのハンドメイド作品を無断で販売することは禁止されています。

たとえ手描きでも、原作のキャラを使用していれば著作権侵害に該当します。

「自作イラストだから大丈夫」という認識は誤りです。

例えば、任天堂の「著作物の利用に関するガイドライン」の事例でいうとー

Q&Aの部分で以下のような記述があります。

Q5. 任天堂のゲーム著作物を利用して創作した動画を、動画の共有サイトへ投稿しました。私はこの動画を販売することができますか。

 

A5. 任天堂のゲーム著作物を利用して創作した動画や音楽、静止画等を、任天堂の許可なく販売しないでください。

 
任天堂公式サイトより引用

こちらの内容を簡単にいうと、任天堂のキャラクターの絵をかいて販売してはいけない(動画・音楽も同じ)ということです。

ファンアートについて

  • ファンアートとは、他人のキャラクターを使ったイラストなどの作品のこと
  • 昔から存在する文化ですが、SNS時代により爆発的に拡散

著作権法との関係

  • 個人で楽しむ範囲ならOK
  • ネットに投稿すれば利益が発生しなくても「著作権侵害」になる
     
  • 非営利かどうかは著作権の有無とは無関係
  • SNS投稿は、許諾がなければ違法の可能性が高い

ファンアートがグレーだと思われる理由

  • キャラクターは「作った人達」がいる
    使う時には許可が必要 
     
  • 「でもファンアートってネットで見るよ」と思いませんか?
    キャラクターの持ち主が見逃してくれている
     
  • いつか注意される可能性もある

著作物のガイドライン

ガイドラインとは、「どういう使い方ならOKか」をキャラクターの持ち主が決めて発表したルールのことです。

たとえば、「SNSへの投稿はOKだけど、お金をもらうのはNG」といったことが書かれています。

使用する場合は販売元の公式ページだ確認する必要があります。

常識ガイドラインという考え方

スタジオジブリが「常識の範囲で自由に使ってください」と言ったようにー

あえて細かいことを決めず、使う人のマナーや良識にまかせる方法も。

この方法ならファンも安心して作品を作れて、会社側も困ったときには対応がしやすくなります。

スタジオジブリジブリ公式サイト

ファンアートの考え方

行動OKかどうか理由
自分だけで楽しむOK自分の中だけで完結しているから
インターネットに出す
注意が必要
許可がないとルール違反になることがある
お金をもらって売るNGキャラクターは他人の財産だから
ガイドラインに従って投稿OK許可されている使い方だから

高級ブランド風
のハンドメイド作品

高級ブランドの「ルイヴィトン」や「シャネル」の柄やロゴを模倣したバッグやアクセサリーなどの販売禁止。

「〇〇風」「〇〇モチーフ」「〇〇系」もNGです。(タイトル・商品説明に〇〇風と記載はダメ)

ブランド名を直接使っていなくても、デザインが類似しているだけで商標権や不正競争防止法に違反する可能性があります。

高級ブランドではなくても、模倣は避けた方がいいでしょう。

実際に訴えられてたケースもありますので、個人だから大丈夫と安易に考えないようにしてください。

白い恋人 vs. 面白い恋人

裁判所は「混同の可能性がある」と認定し、和解により吉本興業はデザインを変更し販売を継続。
画像詳細

 

プーマのシューズ模倣事件(SHI-SA事件)
プーマのロゴをもじった「SHI-SA」を沖縄のメーカーが靴に使用。

プーマが商標権侵害を主張。「模倣」と判断され、販売側は負け
画像詳細

 

「ブラックサンダー」模倣事件
チョコ菓子「ブラックサンダー」に酷似した名称・パッケージで別商品を販売。
パロディは通じず、商標権侵害とされた
画像詳細

メーカー・キャラクター
のリメイク品

リメイク品なら大丈夫だと思う方も多いかもしれませんが、こちらもNGなケースが多い。

フリマサイトでスターバックスの紙袋を使って、リメイクバックを作ってる方がいますが販売はNGです。
2025.9.16カスタマーサポートにて確認
→ メルカリ

ちなみに、チロルチョコの包み紙を使用した、キーホルダーやアクセサリーの販売もNGです。(販売会社に確認済み)
→ メルカリ

他にも、人気キャラクターを切り取って、ポーチに縫い付けるなどの行為、人気ブランド・メーカーのロゴを切り取って作品に使用するなども利益侵害に当たります。

ブランド(メーカー)の製品・ロゴ・キャラクターの二次利用は禁止しているところがほとんどです。

アイドル・
アーティスト名入りグッズ

・「アーティスト名」専用キーホルダー
・「アーティスト名」うちわカバー
・「推しの名前」ロゼッタ
・「推しの名前」のリボン

アーティスト名商品名」や「#タグ」に入れて販売するケースもNGです。

芸能人やアーティストの名前にはパブリシティ権商標権があり、勝手に商用利用することは違反となります。

 

パブリシティ権
有名人の名前・顔・声・姿などを商品や広告に無断使用するのはNG。

商標権
ブランドやサービスを表すマーク・ロゴ・名前を無断使用はNG。

違反のリスク!

実際にアカウント停止になる

最近、私がInstagramでフォローしている方のうち2名が、メルカリの利用停止になりました。

1人は、ファンアートとして人気漫画やキャラクターをモチーフにした絵を販売していた方。

もう1人は、人気アーティストの“推し活グッズ”として、ロゼッタを販売していた方です。

2人とも、いきなりメルカリで利用停止になっています。

メルカリはフリマサイト、ハンドメイドサイト含めても利用者がダントツで多いので、利用停止になると大きな痛手!

何がまずかったのか?

アーティスト名を利用した推し活グッズ
→ アイドルやアーティストの名前・ロゴなどには商標権やパブリシティ権があります。

推し活のためのロゼッタでも、商品名説明#タグアーティスト名を使って販売すると、規約違反と判断される可能性があります。

 

ファンアートの販売
→ 漫画やアニメのキャラクターは著作権で守られています。

たとえ自分で描いたイラストであっても、権利者の許可なく販売すると著作権侵害にあたり、規約違反となります。

「私は好きなアニメのファンとして絵をかいています」などは通用しません。

リスク回避の基本

素材を使う前に、商用利用の可否を確認しよう!

「商用利用OK」の記載があるか確認
(販売元や公式サイト)

 

商品名・商品説明・#タグ に

キャラクターやアーティスト名を使わない

 

商品の説明文に「人気漫画の名前」「有名アーティスト名」などが入っているだけで検出される可能性あり!

 

二次創作・ファンアートのガイドラインを調べる

任天堂スクウェア・エニックスKADOKAWAなどは公式ガイドラインあり

基本は「非営利ならOK/商用は禁止」が多い。

メルカリの規約

知的財産権を侵害するもの(禁止の出品物)
ハンドメイド販売の始め方


まとめ

ハンドメイド販売は「自由に何でも売っていい」わけではありません。

著作権や商標権を守らないと、アカウント停止や法的トラブルにつながる危険があります。

  • 商用利用不可の布や素材は使わない
  • キャラクターやブランド風のデザインは販売しない
  • アーティスト名やロゴを入れたグッズもNG
  • 出品前に必ず「素材の利用条件」「各社ガイドライン」「サイト規約」を確認する

責任あるクリエイターとして、ルールを理解し、安全にハンドメイド販売を楽しみましょう。